「あなたを罪に定めない」  08.04.13
                   ヨハネ 8:1〜11

 「あなたを罪に定めない」と、主イエスから語りかけられた
幸せな女性がいました。今日、礼拝に集う一人一人に主は
同じように語りかけてくださいます。その女性は、姦通の罪を
犯した女性でした。それは、ユダヤの律法によれば死刑に
当たる罪でした。宗教指導者たちは、主イエスを訴える口実を
得ようとして、この女性を連れてきたのでした。
 主イエスが処刑を命じれば、当時のユダヤを統治している
ローマの権利を無視して、殺人を命じた危険人物として、
ローマに訴えることが出来ます。処刑を禁じれば、モーセの
律法を無視する者として、ユダヤ人社会に訴えることが出来ます。
 主イエスは、「罪を犯したことのない者が、まず、この女に
石を投げなさい」とおっしゃいました。人々は、石を投げること
なく、主イエスの前から立ち去ったのでした。
 主イエスと出会い、その言葉を聞く人は、自分の罪を認め
ざるをえなくなります。神の御子の前では、自分の小ささ、弱さ、
愛のなさに気付かされます。このとき、罪の女を連れてきた
指導者たちは、日頃「自分には罪がない」と思っている人たちです。
 普段であれば、石を投げそうな人たちでした。しかし、不思議な
ことに投げられなかったのです。それは、主イエスの前に立って
いたからでしょう。
 罪に気付かされると、人はそこから逃げさります。罪を感じることは、
辛いことです。みんな立ち去りましたが、この女性一人だけが残って
いました。この女性も、立ち去ることは出来ましたがそうせずに、
主イエスのもとにとどまりました。それが、彼女と他の人の人生を
決定的に違うものに分けました。
 ただ御一人、石を投げることのできる方がおっしゃいます。
 「私もあなたを罪に定めない。行きなさい。」
 彼女は、主イエスの所にとどまった事で、赦しの宣言を受ける
ことが出来ました。
 罪をごまかしながら生きるのでなく罪を赦された者として、
罪に支配されるのでなく罪と戦う者として、生き始めました。